東京カレンダー・コラボ!ワインと楽しむミステリー小説
2017/01/05

美人探偵・貴崎桜子の事件簿 Vol.5

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Vol.5:貴崎桜子の事件簿 :密かに開催されるVIPだけの食事会。そこへ届いた謎の手紙とは?

大好評の東京カレンダーとワインすき!のコラボレーション企画!
これは美人探偵・貴崎桜子と一緒にあなたが主人公となり、謎を解きながら読み進めていく物語。

毎回出てくる謎は、「リアル脱出ゲーム」を手掛ける「SCRAP」の監修。
謎を解いて回答欄に正しい解除コードを入力した場合のみ、続きを読むことができる!そしてその先には、更なる謎が待ち受けている……!?
謎の難易度は、回を重ねる毎に上がっていくので、徐々に肩慣らしをして読み進めていただきたい!

気になるアノ人と一緒に謎を解いて、スマートな自分をアピールしてみては?

これまでのあらすじ

私が想いを寄せている謎の美女・桜子。彼女とデートすると、なぜか謎に遭遇してしまう。
これまでのデートでも難解な謎に遭遇するも、謎解きが好きな彼女を振り向かせるためなんとか答えを導く事に成功してきた。

そして前回、一連の謎を出していた犯人をついに突き止めることに成功した。

これですべて終わったはずだった。だが、何やらまだ不穏な空気が漂っているようで……?



 

深夜、一人の部屋で鳴り響くスマホ。

相手によっては迷惑でしかないこの音だが、画面に浮かぶ「桜子」の文字を見て何の迷いもなく電話を受けた。

「お久しぶりね。さっそくだけど次の土曜日の夜は空いてるかしら?」

いつものように突然の誘いだった。

「もちろん空いてるよ」

そう答えると、銀座5丁目の喫茶店を指定されたのだった。

誘われたのは、VIPが集められた食事会

「『アドニスタ』オーナーの奥田さんから連絡がきたのよ」

「奥田さん?彼は確か自首したんだよね?」

「ええ、そうよ。でも被害者の方たちが大ごとにするのを望まなかったみたいで、不起訴処分になったの」

「なるほど。それで?」

「奥田さんは、すごく反省してるわ。それで、私たちにもどうしてもお詫びがしたいと言って、VIPばかりが集う食事会に招待されたの」

「VIPの食事会?そこへ今夜、僕と桜子で行くのかい?」

桜子の顔を覗き込みながら聞くと、彼女は声を出さずに微笑を浮かべたままコクリと頷いた。

VIPばかりと聞いて一瞬たじろぐが、桜子との久しぶりのデートだ。気持ちを切り替え、普段入れないような空間を目いっぱい楽しむことにした。

彼女に誘導され、着いたのは銀座の路地裏に佇む、一見するとただの雑居ビルにしか見えない黒いビル。

まさかこの中にそんなレストランがあるとは想像もつかないような外観だ。事実、私は何度かこの通りを歩いたことがあるが、このビルのことは全く記憶にない。それくらい何の変哲もないビルなのだ。

カメラ付きのインターホンを鳴らすと、「はい」という男性の声がした。

その声に聞き覚えはなく、奥田とは別の男性のようだと推察する。

鍵を開けてもらい真っ黒の重い扉を開けると、一歩入った先にまた扉があった。今度の扉は、1枚目とはうって変わって、ひと目でアンティークとわかる重厚感たっぷりの扉だ。

味わいのあるオーク材で、ゴシック調の彫刻が施されたその扉を開くと、テーブルにズラリと並べられたグラスとカトラリーが、私の目に飛び込んできた。

それは、圧巻としか言いようのない光景だ。

磨き抜かれたグラスとカトラリーに見惚れていると、一人の男性が現れた。

「こんばんは。お待ちしておりました」

そう言って男は頭を下げる。どうやら先ほどインターホンで対応してくれたのは彼のようだ。

「今夜はお招きいただきありがとうございます」

桜子が美しい微笑を浮かべながら挨拶をしていると、奥から奥田が現れた。彼は最後に会ったときよりもやや痩せたように見えるが、顔色はよく以前のような卑屈な笑みも浮かべていない。

「先日は大変なご迷惑をおかけしてしまいました。何のお詫びにもならないかもしれませんが、今日は存分に楽しんでください」

そう言って深く頭を下げると、私たちを席へ案内してくれた。席に着くとすぐに「カッシェロ・デル・ディアブロ デビルズ・ブリュット」が運ばれ、私は桜子とグラスを重ねた。

スパークリングワインを飲んでいると、他のゲストたちもぽつりぽつりと入ってきた。「VIPの集い」と聞いていた通り、入ってくる者はみな洗練された雰囲気を纏う者ばかりだ。

男性は仕立ての良いスーツと上質な革靴を履き、堂々と威厳のある態度。女性は光沢のあるドレスから上品に肌を露出し、華美ではない華やかさがあった。

「なんだか、すごい空間だね」

桜子に小さな声で耳打ちすると、彼女は「そうかしら?」とでも言うように、僅かに首をすくめた。

彼女にとっては、これも日常の一部なのかもしれない。私は桜子の謎の深さに、あらためて触れてしまったようだ。

しばらくして会場が埋まると、奥田が一言挨拶し皆で乾杯した。どうやら、総勢20名程が集まったこの会は定期的に開催されているようで、ゲストにとっては社交の場として、ホストの奥田にとっては舌の肥えたVIPたちから、料理への率直な感想を聞く場となっているらしい。

最初の料理が運ばれてから、およそ1時間半私と桜子も隣の上品な夫婦と会話しながら、食事とディアブロを存分に楽しませてもらった。

デザートまで食べ終え、奥田が最後の挨拶をしようとみなの前に立った時、会場の奥からインターホンの音が聞こえた。その音を聞いた奥田は「おや?」という表情を浮かべたが、気にせず挨拶を述べる。

そこへ最初に対応してくれた男が現れ、奥田の元に駆け寄ると彼に何かを耳打ちした。

「なんだって?」

奥田は怪訝な表情を浮かべ、桜子を見つめた。

「どうかしました?」

凛とした表情で桜子が奥田に聞くと、彼は咳払いをひとつしてこう言った。

「実は今、バイク便が届きました。桜子さん宛ての手紙です。桜子さんが手配されましたか?」

「いいえ、そんなもの手配していないし私が今日ここに居る事も、誰も知らないはずだけど……。いいわ、その手紙見せてくださる?」

桜子は奥田から手紙を受け取ると、すぐに封を開いた。中からは一枚の便せんが取り出され、桜子は書いてある文字を読み上げた。

「“蔵の鍵はもらった”。……蔵の鍵?何のことかしら。まさか奥田さん、また何か企んでいるの?」

険しい表情で奥田を睨みつけるが、彼は慌てて言った。

「そんな、とんでもありません!私は十分反省し、もうあんな馬鹿なことは二度としないと誓いました。信じてください」

奥田の必死な様子から、これが彼の仕業でないことは理解できた。

「もしかして、蔵というのはあのことかもしれません……」

「奥田さん、思いあたる場所があるなら聞かせてくださる?」

「はい。実は隣のビルの地下室も借りており、そこをディアブロ専用の蔵として使用しております」

彼の話を最後まで気かずに、桜子は立ち上がった。



奥田と桜子と私の三人で、蔵の前に移動すると扉にはパスワード解除型の鍵が取り付けられ、謎が書かれた紙が添えてあった。

難易度★★★★☆

どうやら鍵を勝手に変えられたらしく、奥田も「どうして」と愕然としているが、対照的に桜子は動揺する事なく落ち着いている。

「まるでディアブロの“悪魔の蔵”のようだわ」

カッシェロ・デル・ディアブロにまつわる伝説を持ち出し、桜子は呟いた。

「とにかく、また謎が書いてあるからまずはこれを解きましょう」

そう言うと、私にいつものいたずらっぽい微笑を向けて続けたのだ。

「さあ、今回も解いてみて?」

―やはりまた謎解きか……。

私は少し落胆したものの、謎解きに自信がついてきたのも事実。

―よし、解いてやろうじゃないか。

そんな意気込みさえ持ってしまったのだった。



謎が解けたら下の回答欄に正しい解除コードを入力し、解除!ボタンを押そう!
正解すれば、続きを読むことができる!

どうしても謎が解けないときは、ヒントを確認しよう!ヒントはこちら

答えは12月31日(土)に東京カレンダーtwitterアカウントで公開中です。

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