
こんにちは。押切もえです。
6月といえば、雨と深緑。あじさいや雨に洗われた木々の緑が美しい季節になりましたね。みなさんいかがお過ごしですか?
さて今回は、赤ワインで行なった「グラステイスティング」の第2弾として、夏にぴったりの白ワインで、グラスによる味や香りの違いを体験してみたいと思います。
グラスの形状によってワインの味、香りが変化するのは、以前お伝えした通りですが、せっかくワインを開けるなら、そのワインが持つ個性を最大限堪能できるグラスを使わなかったらもったいない!
そこで、ワインにとって最良のパートナーともいうべきグラスにスポットを当て、ワインの特長に合ったグラスの選び方を上田先生に教えていただきます。
覚えてしまえばとってもカンタンなグラス選びのコツは、スパークリングワインにも応用が可能。個々のワインの個性を的確に引き出すグラスの機能に、今回も脱帽です(笑)。
みなさんも、ときにはグラスを着替えて、ワインの新しい魅力を見つけてみませんか?

前回は、初夏にぴったりのワインということで、白ワインの香りを楽しむ旅に出ていただきましたが、今回は、その白ワインの香りや味わいが、ワインに合わせるグラスによってどう変わっていくか、体験してもらおうと思います。
以前やったことのある、赤ワインのグラステイスティングの白ワインバージョンですね。
それは楽しみです♪ よろしくお願いします。
ポイントは、グラスのラインと口径の広さによって飲むときの顔の傾きが変わり、ワインが口の中に流れ込む速さと、舌のどの部分を通っていくかが変わること。
グラスの形状が、それぞれのワインが持っている個性の要素をバランスよく調和させて引き出す役目を果たすんですね。そのことを、まずはスパークリングワインでたしかめてみましょう。
さて、その前に、スパークリングワインのグラスといったら、もえちゃんはどんな形のグラスを思い浮かべますか?
えーっと、フルート型の口が狭く細みで背の高いグラスと、結婚式やパーティで乾杯のときに使う、口が広くて底の浅いグラスです。
はい、フルート型(フルートグラス)とクープ型ですね。
いまでは、立ちのぼる泡のきれいさや香りのよさからフルートグラスが主流となっていますが、もともとはクープ型のグラスが使われていました。ところが、18世紀フランスの歴史に名を残したある女性の、「クープ型では、あごを高く上げないと飲めず、首のしわが目立ってしまうから嫌」という一言で、フルートグラスが登場したといわれているんです。ちなみに、その女性が誰か、わかりますか?
マリー・アントワネット?
お、正解。
やったー! でも、スパークリングワインのグラスにそんな歴史があったなんて知りませんでした。しかもその理由が「女性の美」というところが、またすごいですね。たしかに女性が飲んだとき、美しく見えますもんね。
今日は、そのフルートグラスと、一般的にレストランでよく使われている白ワイングラスを使って、泡立ちのいい2種類のスパークリングワインを試してみたいと思います。
1本目は、チリの『コンチャ・イ・トロ サンライズ スパークリング』をフルートグラスで。まずは香りをかいで、味をみていただきましょう。
サンライズ スパークリングは、大好きな味です! 泡立ちが非常に華やかで、きめ細かくスーッと立ちのぼってきます。香りは青リンゴみたい。フレッシュで爽やかな香りですね。味は豊かな酸味と果実味があります。でも、後味はすっきり。
おっしゃる通り、サンライズのスパークリングワインには、軽い爽やかな酸味とふくよかな味わい、そして、花のような上品でエレガントなイメージがありますね。
実際に、爽やかな酸味を出すシュナンブラン、ふくよかな味わいのシャルドネ、花のような香りのリースリングという3つのブドウ品種がブレンドされているんですよ。
ということは、フルートグラスで飲むことで、すべての品種の味と香りを感じとることができる・・・というわけですね?
そういうことです。口径が狭くて、縦に細長いために、口中を流れるスピードが速く、舌の真ん中をスーッと通って行く。サンライズ スパークリングに限らず、フルートグラスは、清涼感のある、爽やかで軽やかなタイプのスパークリングワインに最適のグラスといえます。
なるほど、清涼感を出すにはこういうグラスがいいんですね。
じゃあ、コクのある、味わい豊かで熟成感のあるスパークリングワインを楽しむにはどんなグラスがいいか? というと、今度は、舌全体でしっかり味わえる口径の広いタイプがいいということになります。それが今日用意した白ワイン用のグラスです。
この白ワイン用のグラスで、スペインのカバ、
『コドーニュ キュベ・レイナ・マリア・クリスティーナ』2006年を試していただきます。タイプはブリュット・レセルバといって・・・
ブリュットは辛口! レセルバは熟成期間が15ヶ月以上!
お、すごい。質問する前に答えが出てきました(笑)。さすがワインエキスパートをめざしているもえちゃんだけのことはありますね。
さらに加えて、元スペイン王妃のマリア・クリスティーナによって王室御用達メーカーに指定されたコドーニュ社が、そのことに敬意を表して王妃の名前を付けた上級品です。こういった上級品は、プレステージ・カバともいいますね。
では、テイスティングしてみましょう。
色は輝きのあるイエローですね。泡立ちが細かくて、とってもきれいです。
はい。持続力のあるきめ細やかな泡が、グラスの底から1本の糸のようにスーッと漂いながら立ちのぼってくるというのは、いいスパークリングワインの特長のひとつなんです。これは覚えておくといいですよ。
香りもすごく豊かですね。洋ナシのようなまろやかでふくよかな香りです。味もドライにふさわしく、苦味も感じられるような大人の味! コクのある複雑な味わいが舌全体に広がって、豊かな泡とともに包まれて・・・。もう、うっとりしますね。
フルートグラスが喉に向かって一直線においしさを伝えていくのに対して、白ワイン用のグラスは、舌全体に味の複雑さ(酸味・苦味・甘味)をいきわたらせるんですね。
大ざっぱに言ってしまえば、シャンパーニュを含む、軽やかで爽やかなタイプならフルートグラス。熟成感があって、複雑な味わいを持つプレステージタイプなら白ワイン用のグラス。この2つを使い分けると、食事を通してスパークリングワインを楽しむときも、それぞれの持ち味を生かしながら、料理とのマリアージュが存分に楽しめると思いますよ。