
こんにちは。押切もえです。
木々の緑が目にまぶしい5月。そろそろキリッと冷やした白ワインがおいしい季節になってきましたね。
そこで今回は、初夏にぴったりな白ワインをテーマに、人気のブドウ品種が持っているそれぞれの「香り」に焦点を当て、実際に身近なフルーツやハーブの香りと比べながら、ワインの香りを探す旅に出たいと思います。
ワインはおいしく、楽しく飲むことが一番ですが、その香りや味わいを自分なりの言葉で表現できたら、もっとワインの世界が深まること請け合い!
また、柑橘系の香りや白い花の香りなど、特徴的な香りを知ることがワインの品種を理解する近道にもなって、ワイン選びがますます楽しくなりそうですよね。
今回から新しく、シニアワインアドバイザーの上田先生をワインアンバサダー通信の講師としてお迎えし、内容も少しだけステップアップしてお届けしたいと思います。
ではみなさま、これから白ワインのバラエティ豊かな香りの世界へ、ご一緒に。

今回から、新しく教えていただく、上田先生です。どうぞよろしくお願いします。
といっても、ワインエキスパート試験に向けた勉強会で普段からお世話になっているので、私にとってはおなじみ(笑)。フランスの産地の名前を大阪の地名にたとえたり、関西弁で面白い冗談を言ってみんなを笑わせたりしながら、難しいワインの知識を覚えやすく指導してくださる、とっても楽しくて頼りになる先生です。
こちらこそ、よろしくお願いします。もえちゃんは生徒として大変優秀。しかも素質がありますから、その素質をこの先さらに伸ばしていきましょう。
今回は、初夏にふさわしい白ワインをテーマに、「香り」について学んでいきますが、もえちゃんがこれまでに飲んだ白ワインの中で、こういう香りが好きという好みの傾向はありますか?
あります! スッキリとした爽やかな香りも好きですが、ハチミツや黄桃のような、芳醇で豊かな香りを持っている白ワインが好きですね。もともとデザートワインが好きというのもありますが、甘くて豊かなアロマのワインに惹かれます。それでいて、飲み口はスッキリしていたりすると、またそのギャップが面白くて、一口一口、大事に飲もうと思っちゃいます。
ブドウの品種でいうと、シャルドネのようなフルーティーな香り。
なるほど。やはり白といえばシャルドネ、という方は多いでしょうね。シャルドネはもともとフランスのブルゴーニュが原産地ですが、そこから世界中に広がり、いまや世界各国で栽培されるようになっています。それだけに優れたワインも多く、産地によって香りや味わいも、芳醇なものから繊細なものまでさまざまです。
でも、人間というのは、世界中でシャルドネばかりがもてはやされると、次にくる品種は何か? と、次のブームを見つけたがるようで、いまの世界的なワイントレンドとしては、食のライト化傾向に合わせた、軽やかで爽やかなワインに注目が集まっているんです。
もえちゃんは、「ABC」という言葉を聞いたことはありますか?
いいえ、初めて聞きました。
「ABC」とは、「Anyting but Chardonnay」。つまり、「シャルドネ以外の何か」。
イギリスでいま流行っているピノ・グリージョや、アメリカで人気のリースリング、ソーヴィニヨン・ブランなどもそのひとつ。日本でも甲州が注目を集めつつあります。いずれもフルーティで軽い飲み口のワインです。
へえ、そうなんですね。「ABC」、知りませんでした。でも、シャルドネ以外、なかなかなじみがない中で、いろんな品種に注目が集まるのはいいことですよね?
そうなんです。リースリングも、もともとはドイツの品種で甘口のイメージですが、いまは世界各国で栽培され、どちらかというと辛口でスッキリとした、料理に合わせやすいタイプが好まれる傾向になっています。
きょうは、初夏にふさわしい軽快な味わいのシャルドネと、いま世界的に人気の品種の中から、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、そして甲州の4種類を取り上げて、「ブドウの品種ごとの香りの特徴を探し出す」ことをやってみたいと思います。
さあ、ではここからが本題。まず、問題です。テイスティングの方法はどのように行いますか?
いつもの勉強会みたい(笑)! それは答えられます。まず色を見て、香りをかいで、味わう。
その通りですね。まず目で見る、香りをかぐ、舌で味わう。この3つの動作、それぞれに楽しさがあります。
テイスティングというと難しく聞こえますが、見る楽しさも、たとえばロゼワインでいえば、見た目のピンク色の華やかさを愛でるという楽しさがあり、きょうの白ワインなら、初夏を感じる爽やかなイメージを目で感じる楽しさがありますよね。
それと同じように、香りの違いを発見する楽しさ、味の奥行きや幅を感じる楽しさもあるという中で、今回は、「香り」に焦点を当てて、シャルドネならこういう香り、リースリングならこういう香りという、それぞれのブドウ品種の基本になる香りを探す実験をしたいと思います。
はい! 実は、もう果物のいい香りがしています。目の前に、グラスに入った香りのサンプルがいっぱい。グレープフルーツ、ライム、レモン、リンゴ、キウイ、パイナップル、バナナ、ハーブ、ミント、白いお花、ハチミツ・・・
そうですね。ワインというのはブドウが原料ですから、単純に想像すると、ブドウの香り、グレープジュースの香りと答えたくなりますが、たとえば、今日用意したような身近な果物やハーブ、花の香りに置き換えて、そのワインの持つ香りの特徴を表現することができる。それを1品種ずつ探してみようという試みなんです。
どうやって実験するんですか?
ワインの香りをかぎながら、自分の中で具体的な香りを見つけ、それが果たして合っているか、実際の果物と付き合わせて答えを確認していきます。あるいは、香りはひとつではありませんので、迷ったら、いくつかかいでみて、消去法で香りを限定していってもいいですね。
なるほど~。それはゲーム感覚で楽しそう♪
ひとつ、覚えておいてほしいのは、香りを探そうとするあまり、長くかぎ続けないこと。3秒以上かぐと、かえって香りがわからなくなりますから、間隔をあけてかぐのがポイントです。
わかりました。これ、友達同士でやっても楽しそうですね。このワインの香りは柑橘系と、一言で終わってしまうのではなく、レモンなのかライムなのか、グレープフルーツなのか、的確に表現できたらもっとワインが楽しくなりそう。そこにプラス、シャープとか、しなやかとか、爽やかとか、知っている表現を組み合わせると、そのワインの持つ「顔」や「性格」みたいなものが浮かび上がってきそうです。
まさにそうですね。「私はこんな香りを見つけた!」という会話をしながらワインを楽しむと、飲むだけとはまた違った雰囲気を楽しめると思いますよ。そして、好みの香りを持つワインを選んでみる、味わってみるということをしながらワインの楽しさを広げていってほしいと思います。
では、さっそく香りを探し出す旅に出ましょう。